特定技能1号と2号の違いとは?条件と企業の実務を比較【企業向け】
外国人材の採用で、特定技能1号と2号の違いに迷っていませんか。在留期間や企業の支援義務の違いは、採用・育成の計画に関わります。
本記事では、出入国在留管理庁の公表情報をもとに、制度の違いと移行条件を解説します。比較表を使い、企業が確認したい実務のポイントも整理します。
結論として、長期定着を目指す企業は、1号の段階から2号への移行を見据えた育成が大切です。
本記事は2026年7月時点の出入国在留管理庁の公表情報に基づきます。制度は改正されることがあるため、受入れ前に同庁の最新情報をご確認ください。
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無料で相談する【前提知識】特定技能1号・2号とは?
まずは、制度の目的と技能水準の違いを確認します。任せられる仕事や企業の義務を考えるための基礎になります。
ポイント①特定技能の目的
特定技能は、人手不足が深刻な産業分野で外国人材を受け入れる在留資格です。一定の専門性・技能を持つ人材を対象に、2019年に創設されました。
制度は1号と2号に分かれています。求められる技能水準や認められる権利、企業の義務が異なります。
ポイント②求められる技能水準
1号は、相当程度の知識または経験を必要とする技能を持つ人材向けです。現場業務を担う入口の在留資格と捉えられます。
2号では、熟練した技能が求められます。現場のリーダーや管理を担える水準が想定されています。
2段階のイメージ
1号=即戦力として現場業務を担う段階/2号=熟練者として班長・指導役を担い、長期就労・定着が可能な段階。2号は1号で培った技能をさらに高めた先にある「キャリアの到達点」と位置づけられます。
詳しい取得条件や評価試験は、特定技能2号とは?完全ガイドでも解説しています。
まずは、1号は現場業務、2号は熟練した技能を要する役割という違いを押さえましょう。1号と2号は何が違う?6つの観点で比較
2026年7月時点の出入国在留管理庁の公表情報をもとに、制度の違いを比較します。在留期間や家族帯同など、採用計画に関わる点を確認しましょう。
| 観点 | 特定技能1号 | 特定技能2号 |
|---|---|---|
| 技能水準 | 相当程度の知識・経験を要する技能 | 熟練した技能(現場リーダー級) |
| 在留期間 | 通算で上限5年(一定の場合は6年) | 更新の上限なし(要件を満たす限り更新可) |
| 家族帯同 | 原則不可 | 要件を満たせば配偶者・子の帯同が可能 |
| 日本語要件 | 試験(JLPT N4またはJFT-Basic)等で確認 | 分野により異なる(多くの分野で追加の日本語試験は必須ではない) |
| 企業の支援義務 | 支援計画の作成・実施が必要 | 義務的支援は不要 |
| 永住申請との関係 | 在留期間は永住要件にカウントされない | 在留期間が永住申請の要件に算入され得る |
ポイント①在留期間の上限
1号の在留期間は原則として通算5年が上限です。更新しても上限は変わらず、その後は帰国が原則となります。
企業は、採用・育成をやり直すコストも考える必要があります。一方、2号は要件を満たす限り更新でき、長期就労が可能です。
2号への移行は、育てた人材の定着を考えるうえで重要です。更新上限の違いを踏まえて、配置や育成を計画しましょう。
ポイント②家族帯同と定着
家族帯同とは、家族を日本に呼んで一緒に暮らすことです。1号では原則として認められません。
2号では、要件を満たせば配偶者と子の帯同が認められます。生活基盤が安定し、離職や帰国のリスクを下げることにつながります。
注意点③日本語要件の確認
2号の日本語要件は分野によって異なります。追加の日本語試験が必須でない分野でも、語学力が不要とは限りません。
誤解しやすいポイント
「2号は日本語要件がないから語学不問」という理解は誤りです。分野によっては上位の技能試験や日本語試験(例:一部分野でのN3相当)が求められる場合があります。分野ごとの要件は必ず各分野の試験実施機関・公式情報でご確認ください。
対象分野の違いと介護の長期就労
ここでは、1号・2号の対象分野と介護分野の考え方を整理します。長期就労を目指す際は、自社の分野に合う在留資格を確認しましょう。
ポイント①2号の対象分野の拡大
特定技能1号は、幅広い産業分野が対象です。2号は、2023年6月の閣議決定で対象が大きく拡大されました。
本記事が参照する出入国在留管理庁の公表情報では、介護分野を除く分野で受入れが可能です。以下は、2026年7月時点の整理です。
- 1号のみ対象:介護、自動車運送業、鉄道、林業、木材産業などです。介護は在留資格「介護」で長期就労の道があります。
- 1号・2号どちらも対象:建設、造船・舶用工業、外食業、飲食料品製造業、宿泊などです。製造業(工業製品)、自動車整備、航空、農業、漁業、ビルクリーニング等も含まれます。
ポイント②介護分野の移行先
介護の長期就労では、在留資格「介護」への移行を検討します。別の在留資格が用意されており、更新による長期就労が可能です。
そのため、介護分野は特定技能2号の対象外です。長く働いてもらうための移行先を、他分野と分けて考えましょう。
手順③分野別の試験対策を確認
評価試験の内容や対策は、分野別ガイドでも解説しています。外食業、建設、宿泊業など、自社の分野に合わせてご確認ください。
建設分野の問題例や導入費用の目安は、特定技能2号 建設の試験対策ページで確認できます。
飲食料品製造業の問題例や導入費用の目安は、特定技能2号 飲食料品製造業の試験対策ページで確認できます。
長期就労の計画は、自社分野の対象資格と試験要件を確認して立てましょう。企業の支援義務とコストはどう変わる?
受入れ企業に求められる支援と届出の違いを確認します。採用後の運用負担やコストを考える際のポイントです。
| 項目 | 特定技能1号 | 特定技能2号 |
|---|---|---|
| 支援計画 | 作成・実施が必須(登録支援機関へ委託可) | 義務的支援は不要 |
| 支援の内容 | 事前ガイダンス、生活オリエンテーション、日本語学習の機会提供など | ― |
| 各種届出 | 必要(受入れ状況・支援実施状況など) | 必要(受入れ状況など) |
ポイント①1号の支援計画
1号では、生活面や就労面を支える支援計画の作成・実施が義務です。自社での対応が難しい場合は、登録支援機関へ委託できます。
登録支援機関は、企業から委託を受けて支援を行う機関です。自社対応でも委託でも、一定のコストと手間がかかります。
ポイント②2号の支援と届出
2号では義務的支援が不要になり、その分の運用負担が軽くなります。ただし、受入れ状況などの届出は必要です。
コスト観点でのまとめ
2号は支援義務がなく、在留期間の更新上限もないため、長期で見れば「採用・育成のやり直しコスト」と「支援コスト」の両方を抑えられます。定着前提の採用なら2号移行を見据えた育成が有利です。
1号から2号へ移行する条件と流れ
2号への移行では、実務経験・技能試験・申請手続きを確認します。分野ごとの条件を押さえ、準備の順序を整理しましょう。
ポイント①実務経験を積んで移行
2号は、新たに海外から呼ぶより、1号で働く人材が経験を積んで移行するのが一般的です。基本的な流れは次のとおりです。
- 1号として就労し、経験を積む対象分野で実務に従事し、現場での技能を高めます。分野によっては一定の実務経験や指導・監督経験が要件になります。
- 2号の技能試験に合格する各分野の実施機関が行う「熟練した技能」を測る評価試験に合格します。分野により試験内容・合格基準が異なります。
- 分野ごとの追加要件を満たす実務経験年数や、班長・職長など指導的立場での経験が求められる分野があります。
- 在留資格変更許可を申請する出入国在留管理庁へ在留資格変更を申請し、許可されれば特定技能2号として就労を継続できます。
注意点②分野ごとの条件と改正
試験合格だけでなく、分野ごとの追加要件も確認しましょう。実務経験年数や指導・監督経験が求められる場合があります。
要確認
移行に必要な実務経験年数や試験の合格基準は分野ごとに細かく定められており、改正もあります。申請前に必ず各分野の試験実施機関と出入国在留管理庁の最新情報をご確認ください。
【育成のコツ】企業が押さえたい実務のポイント
制度の違いを、採用・配置・育成の計画に反映する方法を整理します。短期の人員確保と長期定着の両方を考えましょう。
ポイント①採用目的に合わせた計画
- 短期の人手不足対応:まずは1号で即戦力を確保します。2026年7月時点の通算5年という上限を前提に、配置を計画します。
- 長期定着・幹部育成:将来の班長・指導役を見据えます。1号の段階から、2号の技能試験対策と実務経験を計画します。
- 家族帯同による定着促進:家庭を持つ人材には、2号への移行が離職防止につながります。移行時期を早めに共有し、意欲につなげましょう。
ポイント②働きながら学べる環境
長期定着を目指すなら、2号評価試験への合格支援が重要です。熟練した技能を問う試験のため、難易度は高くなります。
働きながら学ぶには、限られた時間を生かす試験対策が大切です。企業も学習環境を整え、技能の向上と定着を後押ししましょう。
採用後は、実務経験と試験対策を組み合わせた育成を計画しましょう。よくある質問
特定技能1号から2号へは必ず移行できますか?
自動的には移行できません。実務経験、技能試験の合格、分野ごとの追加要件を満たし、在留資格変更許可を受けます。
要件は分野によって異なります。特定技能2号の完全ガイドや各分野別ページもご確認ください。
2号になると家族を日本に呼べますか?
はい、要件を満たせば配偶者と子の帯同が認められます。1号では、原則として家族を日本に呼んで一緒に暮らすことはできません。
家族と暮らせることは、本人の生活基盤の安定につながります。企業にとっても、定着を後押しする要素になります。
企業側の負担は1号と2号でどう違いますか?
1号には支援計画の作成・実施義務があり、2号では義務的支援が不要です。1号で自社対応が難しい場合は、登録支援機関への委託が必要です。
2号には在留更新の上限がなく、採用・育成をやり直すコストも抑えられます。
働きながらでも2号の試験に合格できますか?
働きながらでも、2号の試験合格を目指せます。ただし、熟練した技能を問う試験のため、難易度は高くなります。
限られた時間で学ぶには、効率的な試験対策が大切です。企業も学習環境を整え、技能の向上と定着を支えましょう。
介護分野で長く働いてもらうにはどうすればよいですか?
介護分野では、在留資格「介護」への移行を検討します。特定技能2号の対象外ですが、在留資格「介護」で更新を続ければ長期就労が可能です。
この記事のまとめ
1号と2号では、在留期間・家族帯同・支援義務などが異なります。長期定着を目指すなら、1号の段階から2号への移行を見据えましょう。
ただし、合う進め方は分野や実務経験、仕事の内容によって異なります。介護分野では、在留資格「介護」への移行を検討します。
準備の順序や学習方法に迷う場合は、自社の状況に合わせた進め方をご相談ください。
- 1号は通算5年が上限で、家族帯同は原則不可、支援義務があります。2号は更新上限がなく、要件を満たせば家族帯同が可能で、義務的支援は不要です。
- 2号には熟練した技能が求められます。2023年の対象拡大により、介護分野を除く分野が対象になりました。
- 介護での長期就労は、在留資格「介護」への移行を検討します。
- 2号への移行は、1号で経験を積み、技能試験に合格し、追加要件を満たして変更許可を受けるのが一般的です。
- 短期の人員確保は1号、長期定着や幹部育成は2号への移行を見据えて計画します。
更新履歴
- 構成と言い回しを新レイアウトに合わせて書き直し(事実の変更なし)
- 建設2号の試験対策ページへの内部リンクを本文に1文追加(事実の変更なし)
- 飲食料品製造業2号の試験対策ページへの内部リンクを本文に1文追加(事実の変更なし)
- 記事点検で 3 件を修正
※本記事は 出入国在留管理庁(在留資格「特定技能」)・出入国在留管理庁・出入国在留管理庁 等の公開情報をもとに、特定技能サプリ編集部(株式会社AIサプリ)が作成しています。制度や試験の最新の要項・日程・料金は、必ず各実施機関の公式情報をご確認ください。