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育成就労の入国後講習|時間数・内容・実施主体を一気に整理

特定技能サプリ編集部 公開日: 2026.08.08更新日: 2026.08.08

2027年4月に始まる育成就労制度では、受け入れた外国人に「入国後講習」を受けさせることが受入れ側(受け入れ企業や監理支援機関)の義務になります。「何時間やればいいのか」「誰が実施するのか」「日本語講習は別に必要か」——本記事では、時間数の区分・4つの科目・実施方式・就労開始後の日本語教育義務までを企業目線でまとめます。

本記事は2026年8月時点の公表情報(出入国在留管理庁の育成就労制度Q&A、育成就労法施行規則・育成就労制度運用要領など)に基づきます。科目・時間数・実施方式などを定める関係省令・運用要領はすでに公表されていますが、施行に向けて改正される可能性があります。実際の受け入れ前に必ず公式の最新版をご確認ください。

入国後講習とは(制度上の位置づけ)

育成就労制度は、技能実習制度に代わって2027年4月に施行される新しい在留制度です。原則3年間で対象分野の技能と日本語を育成し、特定技能1号へつなげることを目的としています。制度の全体像は育成就労制度とは?2027年4月施行の新制度をわかりやすく解説もあわせてご覧ください。

その育成就労のスタート地点に位置づけられるのが入国後講習です。入国後講習とは、外国人が来日してから就労を本格的に開始する前に受ける、日本での生活・仕事・権利に関する基礎教育のことです。技能実習制度の「講習(入国後講習)」を引き継ぐ仕組みですが、日本語教育の位置づけが大きく強化されているのが特徴です。

入国後講習の目的

来日直後の外国人が、日本語・生活ルール・自分の権利(法的保護)・仕事の基礎知識を身につけ、安心して就労を始められるようにするための「導入教育」です。

時間数の区分と入国前講習による短縮

入国後講習の総時間数は、来日時点でA1相当(日本語能力試験N5相当)の日本語試験に合格しているかどうかで2つのパターンに分かれます。A1相当に達していない人ほど、来日後により多くの日本語学習が必要になるためです。

区分入国後講習の総時間うち日本語講習
A1相当 未合格原則 320時間以上認定日本語教育機関の「就労」課程でA1相当講習を100時間以上
A1相当 合格済み220時間以上認定機関のA1相当講習(100時間以上)は不要/ただし入国後講習の日本語科目自体は必要(認定機関以外でも可)

さらに、所定の条件(内容・時期・実施方法など)を満たした入国前講習を、入国前の過去6か月以内に受けた場合は、入国後講習の最低時間数が下表の区分まで短縮されます。受講した時間分を自由に差し引ける控除ではなく、条件を満たしたときに法定の最低時間そのものが下がる仕組みである点に注意してください。

区分入国前講習の要件短縮後の入国後講習
A1相当 未合格160時間以上を受講160時間以上に短縮
A1相当 合格済み110時間以上を受講110時間以上に短縮

数値は変更されることがあります

時間数(320時間/220時間、160時間/110時間、100時間など)は、育成就労法施行規則・育成就労制度運用要領に定められている制度基準です。今後改正される可能性があるため、受け入れ計画を立てる際は、出入国在留管理庁の最新版を必ずご確認ください。

4つの講習科目と法的保護8時間

入国後講習で扱う内容は、大きく次の4科目で構成されます。

  1. 日本語就労・生活で必要となる実務的な日本語。A1相当未合格者は認定日本語教育機関の就労課程で100時間以上が必須です。
  2. 日本での生活一般に関する知識交通ルール・ゴミ出し・公共マナー・医療や行政手続きなど、生活を成り立たせるための知識。
  3. 法的保護に必要な情報労働関係法令や、法令違反を知ったときの相談・対応方法など、外国人自身の権利を守るための情報。
  4. 技能修得に資する知識職場の安全衛生や業務理解など、これから就く仕事の基礎となる知識。

法的保護は8時間以上・外部の専門家が担当

4科目のうち「法的保護に必要な情報」は、講習全体の中で8時間以上実施し、専門的な知識を持つ講師が担当します。監理型育成就労では、監理支援機関や受け入れ企業に所属しない外部講師(弁護士・専門機関など)が担当する必要があります。一方、単独型育成就労では講師要件が異なるため、運用要領を確認してください。トラブルを未然に防ぎ、外国人が声を上げられるようにするための重要な科目です。

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誰が実施するのか(実施主体・方式)

入国後講習の実施主体は、受け入れ企業(育成就労実施者)や、監理・支援を担う機関が中心となりますが、日本語講習は認定日本語教育機関が担う点が育成就労の大きな特徴です。日本語能力に応じて必要な時間や到達目標が細かく定められているため、日本語教育の専門機関との連携が前提になります。日本語要件の中身は育成就労の日本語要件|A1・A2相当とは何かを解説で詳しく整理しています。

実施方式は、対面のほか、オンラインも認められます。ただしオンラインの場合は、双方向で同時に意思疎通できる方式であることなど、一定の要件を満たす必要があります。録画教材を一方的に視聴させるだけの方式は認められません。

また、入国前講習の一部は本国で実施することも可能です。送り出し機関と連携し、来日前にどこまで学習させておくかで、入国後講習の負担と期間が変わってきます。技能実習からの変更点全体は育成就労と技能実習の違い|企業が知るべき7つの変更点もご参照ください。

講習中は業務に従事させられない(監理型)

監理型育成就労では、入国後講習の全科目を業務への従事前に実施し、講習期間中は育成就労の業務に従事させることができません。単独型育成就労は法的保護科目などで取扱いが一部異なるため、単独型の基準を確認してください。

就労開始後に続くA2日本語教育の義務

入国後講習を終えて就労が始まっても、日本語教育の義務は終わりません。育成就労では、原則3年間の育成期間を通じてA2相当以上(JLPT N4以上、またはJFT-BasicのA2.2〔200点以上〕など)への到達が目標とされ、育成就労実施者は、育成就労外国人が認定日本語教育機関等によるA2到達を目標とした講習を100時間以上受講できるよう、必要な機会を提供しなければなりません(すでに必要な日本語能力を試験等で証明できる人は対象外)。なお、A2目標講習の受講時間を労働時間として扱うことまでは、一律には義務づけられていません。

これは、育成就労を修了して特定技能1号へ移行する際に、日本語能力が要件を満たしている必要があるためです。入国後講習(入口)と就労中の日本語教育(育成期間)は一続きの設計になっており、企業は3年間を見通した日本語支援計画を立てることが求められます。移行後のキャリアの全体像は特定技能2号とは?完全ガイドもあわせてご覧ください。

日本語支援は採用計画そのもの

入国後講習の時間数・費用・A2到達までの学習計画は、受け入れコストと定着率を左右します。日本語能力が伸びなければ特定技能1号への移行が難しくなり、3年間の育成が実を結びません。採用の段階から日本語教育の設計をセットで考えることが重要です。

企業が準備すべきことチェックリスト

育成就労での受け入れを検討している企業が、入国後講習まわりで押さえておくべきポイントを整理します。

時間数や運用ルールは施行に向けて更新されていくため、最新の運用要領を定期的に確認しながら準備を進めましょう。

この記事のまとめ

  • 入国後講習は育成就労のスタート地点で、日本語・生活知識・法的保護・技能修得の基礎を学ぶ導入教育。2027年4月施行の新制度で企業の義務となる
  • 総時間はA1相当(N5相当)合格の有無で区分され、未合格は原則320時間以上、合格済みは220時間以上。入国前講習で160時間/110時間まで短縮できる
  • 4科目のうち法的保護は8時間以上(監理型は外部講師が担当)。A1相当未合格者は認定日本語教育機関の講習を100時間以上
  • 実施方式は対面のほか双方向オンラインも可。録画の一方視聴は不可
  • 就労開始後も3年間でA2相当以上(JLPT N4以上/JFT-Basic A2.2など)到達を目標に、100時間以上の日本語講習の受講機会を提供する義務が続き、特定技能1号移行につながる

よくある質問

Q. 入国後講習の期間中も給料は発生しますか?

講習期間中は通常の育成就労業務に従事しないため、就労に対する賃金ではなく「講習手当」等として生活費を確保するのが基本です。育成就労法施行規則では、入国後講習に専念できるよう手当の支給その他の方法による措置を講じることや、適切な宿泊施設の確保が定められています。具体的な金額・費用負担のルールは、出入国在留管理庁の最新の運用要領に沿ってご確認ください。

Q. A1相当に合格していれば入国後講習は不要ですか?

いいえ。合格していても入国後講習(220時間以上)は必要です。免除されるのは「認定日本語教育機関等によるA1相当講習(100時間以上)」の受講義務だけで、入国後講習の日本語科目そのものは残ります(この科目は認定日本語教育機関以外が担当してもOKです)。生活一般・法的保護・技能修得の科目も受講します。

Q. 日本語講習は自社で実施できますか?

日本語講習は認定日本語教育機関の就労課程で実施することが前提です。自社独自の日本語教育で代替することはできないため、認定を受けた日本語教育機関との連携が必要になります。

Q. 働きながら日本語を伸ばして特定技能に合格できますか?

はい、可能です。育成就労は就労と学習を並行させる制度設計で、3年間でA2相当(N4相当)到達を目指します。特定技能サプリは、業種別の試験対策と現場で使う日本語をスマホで学べる学習サービスです。働きながらでも計画的に力を伸ばし、特定技能1号・2号の試験合格につなげられます。

Q. 入国後講習の内容はどこで確定するのですか?

科目・時間数・実施方式などは、育成就労法施行規則および育成就労制度運用要領にすでに定められています。ただし施行に向けて改正される可能性があるため、受け入れ計画を確定させる前に必ず公式の最新版をご確認ください。

※本記事は 出入国在留管理庁(育成就労制度Q&A・運用要領) 等の公開情報をもとに、特定技能サプリ編集部(株式会社AIサプリ)が作成しています。試験の最新の要項・日程・料金は必ず各試験実施機関の公式情報をご確認ください。合格率など最新の実施状況は、各試験実施機関の公表情報をご確認ください。