特定技能のグランドハンドリングで任せられる仕事は?採用前の業務整理
空港で外国人材を採用する際、どこまで仕事を任せられるか迷うことはありませんか。手荷物の取扱いだけでなく、旅客対応などの位置付けも確認が必要です。
本記事では、国土交通省の公表資料をもとに、対象業務と採用前の確認事項を解説します。
採用前には、対象となる仕事と、現場で任せるための条件を分けて整理することが大切です。
本記事は2026年11月3日時点で確認した公式資料に基づきます。個別の業務が対象となるかは、国土交通省航空局へご確認ください。
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無料で相談する【前提知識】グランドハンドリングと特定技能の関係
まずは、航空分野の業務の区分と役割の違いを確認します。
ポイント①航空分野の業務区分
グランドハンドリングは、航空機の運航を地上で支える仕事です。特定技能の航空分野では、航空機整備と別の業務区分になっています。
国土交通省の運用要領は、区分ごとに従事する仕事を定めています。空港で行う仕事という理由だけで、対象になるわけではありません。
ポイント②1号と2号の役割
1号は、社内資格等を持つ指導者やリーダーの指導・監督下で作業します。2号は、指導者やリーダーとして作業し、工程を管理する役割です。
配置を考える際は、作業内容に加えて、誰が指導し、誰が工程を管理するかを整理します。これは国土交通省の運用要領に示された役割の違いです。
制度全体の違いは、特定技能1号と2号の違いでも確認できます。
採用する区分に合わせて、作業と指導・管理の役割を明確にしましょう。
特定技能のグランドハンドリングで任せられる仕事
国土交通省の現行の運用要領に沿って、対象業務と作業のイメージを整理します。
ポイント①対象業務を具体化
2026年11月3日時点で確認した対象業務は、次の7種類です。搭降載とは、航空機への積込みと取卸しを指します。
| 対象業務 | 作業の例 |
|---|---|
| 航空機地上走行支援業務 | 航空機を駐機場所へ誘導する作業や移動の支援 |
| 手荷物・貨物取扱業務 | 手荷物や貨物の仕分け、積付け、取卸し |
| 手荷物・貨物の航空機搭降載業務 | 航空機までの移送、機体への積込みや取卸し |
| 航空機内外の清掃整備業務 | 客室内の清掃や機体の洗浄など |
| 旅客ハンドリング業務 | 搭乗手続きや搭乗口での対応など |
| 機内食等の運搬・搭降載業務 | 機内食などの運搬、機体への積込みや取卸し |
| 航空燃料取扱業務 | 航空機への給油や給油施設の管理など |
表は、国土交通省の運用要領と業務説明資料をもとに整理しています。実際に担当させる工程は、必要な資格や社内規程も確認して決めます。
注意点②古い業務一覧との違い
現在は、旅客対応・機内食の運搬等・航空燃料の取扱いも対象です。以前の業務一覧だけで判断しないようにしましょう。
日本航空技術協会も、これらの業務追加に対応した試験と教材の変更を案内しています。国内試験では、2026年8月実施分から新しい要領を適用するとしています。
採用計画では、最新の業務範囲と、本人に任せられる工程を照合することが重要です。対象業務に含まれることだけで、配置を決めないようにします。
旅客対応なども含めた最新の対象業務と、自社の作業内容を照合しましょう。
関連業務として任せられる作業と注意点
対象業務と一緒に行う関連業務の扱いや、清掃業務の違いを確認します。
注意点①関連業務だけの配置
関連業務とは、主な仕事に伴って通常行う作業です。運用要領では、同じ業務に従事する日本人が通常行うものを想定しています。
- 事務作業:主な業務に伴って行う事務です。
- 整理整頓や清掃:作業場所を整える作業です。
- 除雪:積雪時に作業場所の雪を取り除く作業です。
これらには付随的に従事できますが、関連業務だけに従事することは認められません。国土交通省の運用要領に明記されています。
注意点②清掃する対象の違い
航空機の客室清掃は、航空機内外の清掃整備業務に含まれます。一方、作業場所の整理整頓や清掃は、関連業務として例示されています。
求人票に「清掃」とだけ書くと、対象や目的が伝わりにくくなります。航空機の客室なのか、作業場所なのかを具体的に記載しましょう。
判断が難しい場合は、場所・作業内容・主な業務との関係を整理します。その内容をもとに、国土交通省航空局へ確認してください。
作業の名称だけでなく、対象と主な業務との関係まで確認しましょう。
採用前に進めたい業務と受入れ体制の整理
業務範囲を確認したら、受入れ企業の要件と配置計画を具体化します。
手順①作業を工程ごとに分解
編集部では、採用担当と現場責任者で作業一覧を作ることをおすすめします。部署名だけでなく、実際に行う工程まで書き出しましょう。
- 作業内容:何を、どこで、どのように扱うかを記録します。
- 業務上の位置付け:対象業務か、付随する関連業務かを整理します。
- 実施条件:必要な資格、教育、社内認定を確認します。
- 担当と指導者:本人の役割と指導・確認を行う人を決めます。
手順②企業側の条件を確認
通常の空港内での受入れでは、空港管理者による営業承認等の確認が必要です。国土交通省の運用要領に照らし、自社の承認内容を確認します。
また、受入れ企業には航空分野特定技能協議会への加入が必要です。国土交通省は、在留諸申請の前に加入するよう案内しています。
1号の支援計画の実施をすべて外部へ委託する場合は、委託先の協議会加入も確認します。対象となる登録支援機関にも、申請前の加入が求められます。
注意点③雇用形態の確認
航空分野の特定技能では、労働者派遣による受入れは認められません。これは国土交通省の運用要領で示されています。
採用前には、業務内容・雇用形態・指導体制をまとめて確認することが大切です。求人票と実際の配置が一致するよう、関係者で共有しましょう。
業務一覧をもとに、企業側の要件と実際の配置を一緒に確認しましょう。
採用後に仕事を任せるための教育と確認
制度上の業務範囲を踏まえ、安全に担当できる状態までの準備を考えます。
手順①資格と社内規程の確認
国土交通省は、関係法令や安全管理規程、社内規程などの遵守を求めています。特定技能の試験合格と、各作業を担当するための条件は分けて確認します。
車両や機器を使用する場合は、その作業に必要な免許・資格等を確認しましょう。社内教育や認定の有無も、担当部署と照合します。
手順②指示と報告の練習
教育では、現場で使う指示と報告の言葉も扱うことをおすすめします。作業手順と一緒に、分からないときの確認方法を練習します。
- 作業前:担当範囲と注意事項を本人の言葉で確認します。
- 作業中:指示が聞き取れない場合の確認方法を練習します。
- 異常時:作業を止める判断や報告先を確認します。
- 作業後:完了報告と引継ぎの方法をそろえます。
配置は、資格・教育・理解度を確認しながら段階的に広げる進め方がおすすめです。確認した内容を残すと、指導担当が変わる際にも共有できます。
ポイント③2号を見据えた記録
国土交通省は、2号で技能者を指導しながら作業した実務経験を求めています。将来の役割に合わせて、担当業務や指導経験を記録しておきましょう。
試験の準備については、特定技能2号・航空の試験対策も参考にしてください。
現場の条件と理解度を確認し、担当業務と指導経験を記録する仕組みを整えましょう。
よくある質問
特定技能で旅客カウンターの仕事を任せられますか?
2026年11月3日時点の運用要領では、旅客ハンドリング業務も対象です。搭乗手続きなどが含まれます。
ただし、実際の配置では担当工程と必要な教育・社内規程を確認してください。1号は指導者やリーダーの指導・監督下で作業します。
清掃だけを担当する採用はできますか?
何を清掃するかによって扱いが異なります。航空機の客室清掃は、対象となる航空機内外の清掃整備業務に含まれます。
一方、作業場所の清掃は関連業務の例です。国土交通省の運用要領では、関連業務だけに従事する配置は認められません。
特定技能の試験に合格すれば、すべての作業を任せられますか?
いいえ、合格だけで各作業の実施条件が満たされるわけではありません。国土交通省は、関係法令や安全管理規程などの遵守を求めています。
担当する作業ごとに、必要な資格・教育・社内認定を確認してください。
派遣会社から特定技能の人材を受け入れられますか?
航空分野の特定技能では、派遣による受入れは認められません。国土交通省の運用要領は、派遣することも、派遣された人を受け入れることも禁止しています。
グランドハンドリングの資格で航空機整備も担当できますか?
同じ航空分野でも、航空機整備は別の業務区分です。グランドハンドリングの区分だけで、整備業務全般を担当できるとは判断できません。
配置前に、担当作業がどちらの区分に当たるかを確認してください。判断が難しい場合は、国土交通省航空局へ問い合わせましょう。
この記事のまとめ
特定技能のグランドハンドリングは、手荷物の取扱いから旅客対応、航空燃料の取扱いまでが対象です。関連業務との違いを整理し、指導体制や作業ごとの条件を確認しましょう。
ただし、合う進め方は担当する工程や本人の経験、日本語の理解度によって異なります。自社の現場に合わせて、配置と教育の順序を考えることが大切です。
採用後の教育や試験準備に迷う場合は、現在の担当業務と育成上の課題を整理してご相談ください。
- 旅客対応・機内食の運搬等・航空燃料の取扱いも対象業務に含まれます。
- 関連業務には付随的に従事できますが、それだけの配置は認められません。
- 対象業務に含まれるかと、現場で担当するための資格・教育は分けて確認します。
- 受入れ企業の要件、雇用形態、指導体制を採用前に整理しましょう。
出典・参考資料
参考:法務省・国土交通省「特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領―航空分野の基準について―」(2026年7月17日一部改正)
参考:国土交通省「航空分野における新たな外国人材の受入れ(在留資格『特定技能』)」
参考:国土交通省「航空分野における特定技能制度について」(業務内容の説明資料)
※本記事は 法務省・国土交通省「特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領―航空分野の基準について―」(2026年7月17日一部改正)・国土交通省「航空分野における新たな外国人材の受入れ(在留資格『特定技能』)」・国土交通省「航空分野における特定技能制度について」(業務内容の説明資料)・国土交通省・日本航空技術協会「航空分野(空港グランドハンドリング)特定技能評価試験実施要領」・日本航空技術協会「New Text」(新しい試験実施要領と学習用テキストの案内) 等の公開情報をもとに、特定技能サプリ編集部(株式会社AIサプリ)が作成しています。制度や試験の最新の要項・日程・料金は、必ず各実施機関の公式情報をご確認ください。